【2025】東京都で紅葉ドライブを計画するポイント
「東京で紅葉ドライブ?」と疑問に思うかもしれません。
しかし、東京都は西多摩の深い山々から、洗練された都心の公園まで、非常に多彩な紅葉の顔を持っています。
奥多摩の渓谷美、高尾山のグラデーション、そして神宮外苑の黄金のトンネル。これらが約2ヶ月以上かけてリレーのように見頃を迎えるのが、東京の紅葉を巡るドライブの最大の魅力です。
ただし、そこは首都・東京。快適な紅葉ドライブを楽しむには、他県とは比較にならない「大渋滞」と「駐車場問題」、そして「都心と山間部の気候のギャップ」という、2つの大きな壁が存在します。2025年の秋を最高のものにするため、まずは計画の基本となる必須ポイントを徹底解説します。
東京の紅葉はいつから?2025年エリア別「見頃」予想カレンダー
東京の紅葉は、標高の高い奥多摩(10月中旬)から始まり、ゆっくりと都心(12月上旬)へと降りてきます。この記事を作成している2025年11月8日現在、奥多摩は見頃終盤、高尾山や昭和記念公園がまさに見頃のピークを迎えており、都心部は色づき始めといった状況です。
- 奥多摩(奥多摩湖・御岳山)エリア【見頃予想:10月中旬〜11月中旬】
都内で最も早く紅葉が始まります。奥多摩周遊道路など、ダイナミックな山岳紅葉が楽しめます。
- 高尾山・甲州街道エリア【見頃予想:11月中旬】
まさに今がピーク。ケーブルカーやリフトから見る紅葉、そして甲州街道のイチョウ並木が圧巻です。
- 国営昭和記念公園エリア【見頃予想:11月上旬〜11月下旬】
「かたらいのイチョウ並木」や日本庭園の紅葉が、現在まさに見頃を迎えています。
- 神宮外苑・都心公園エリア【見頃予想:11月下旬〜12月上旬】
紅葉シーズンのフィナーレ。「日本一遅い紅葉」と言われ、12月に入っても黄金色のイチョウが楽しめます。
- あきる野(秋川渓谷)エリア【見頃予想:11月中旬〜11月下旬】
都心からアクセスしやすい渓谷美スポット。これからピークを迎えます。
【最重要】都内の紅葉渋滞・駐車場対策(高尾・神宮外苑・昭和記念公園)
都内の紅葉ドライブの成否は、99%「渋滞・駐車場対策」で決まります。美しい紅葉を見る前に、渋滞で一日が終わることを避けるため、以下の対策を徹底してください。
- 対策1:高尾山周辺(国道20号)の大渋滞は「早朝行動」か「電車利用」ピーク時の週末、中央道・高尾山ICと、麓の国道20号線は大渋滞します。対策は「午前8時前には現地駐車場に到着する」こと。それが無理なら、「あえて車で行かない」という選択が賢明です。京王線で「高尾山口駅」まで行き、温泉や食事だけ麓で楽しむのが最もストレスフリーです。
- 対策2:神宮外苑「イチョウ祭り」は公共交通機関が賢明?「神宮外苑」のイチョウ並木は、ピーク時の週末日中は「車で行く場所ではない」と断言できます。周辺は交通規制と、駐車場を探す車で大混乱します。ドライブで訪れたいなら、「交通量の少ない平日の早朝(夜明け~午前7時頃)」に車で通り抜けるか、周辺のコインパーキングに停めて(満車覚悟で)歩くしかありません。
- 対策3:国営昭和記念公園の駐車場は「立川口」以外も狙う昭和記念公園は駐車場が広いものの、ピーク時の週末はメインゲートの「立川口駐車場」が長時間の入庫待ちになります。あえて「西立川口駐車場」や、空いている「砂川口駐車場」に停め、広い園内を歩く(またはレンタサイクルを利用する)前提で計画を立てるのが賢明です。
都内の山間部(奥多摩)ドライブの注意点(凍結・スタッドレス)
「都内だから大丈夫」という油断は、奥多摩エリアでは通用しません。
奥多摩周遊道路は、標高が1,000mを超える山岳道路です。11月中旬以降、日陰のカーブや橋の上は、早朝・夜間に「路面凍結(ブラックアイスバーン)」する危険性が高まります。
「紅葉狩りなのにスタッドレス?」と思うかもしれませんが、11月下旬に奥多摩をドライブする場合は、スタッドレスタイヤの装着を強く推奨します。ノーマルタイヤでは、紅葉は楽しめても帰れなくなる危険性があります。また、都心部とは気温が5℃~10℃近く異なるため、ダウンジャケットや手袋などの真冬の防寒着も必ず持参してください。
【エリア別】東京都のおすすめ紅葉ドライブコース5選
東京都の紅葉は、西から東へ、山から都心へと、エリアごとに全く異なる表情を見せてくれます。2025年11月8日現在、高尾山や昭和記念公園がピークを迎え、都心はこれからが見頃という、まさに紅葉リレーの真っ最中です。
あなたの「見たい秋」はどのエリアにありますか? 2025年、特におすすめしたい5つの鉄板紅葉ドライブコースを、それぞれのハイライトや立ち寄りスポットと共にご紹介します。
1.【王道・自然】奥多摩周遊道路と奥多摩湖ルート

「ここが本当に東京?」と誰もが驚く、都内随一の大自然が広がる王道ドライブコース。標高が高いため、紅葉は10月中旬から始まり、現在は見頃の最終盤を迎えています。駆け込みでダイナミックな紅葉を見たい方におすすめです。
コース概要と想定所要時間
(例:圏央道・青梅IC発着 / 約6〜7時間 ※山道運転・凍結注意)
このコースの紅葉ハイライト
- 奥多摩周遊道路:
かつては有料道路だった絶景ロード。「三頭(みとう)の紅葉」と呼ばれる、山肌全体が燃えるような紅葉ドライブが楽しめます。 - 奥多摩湖(麦山浮橋):
通称「ドラム缶橋」。湖面に映り込む「逆さ紅葉」と、浮橋を渡るスリリングな体験が人気です。 - 奥多摩むかしみち:
奥多摩駅周辺の渓谷沿いを歩く散策路。車を停めて、紅葉と渓流の音を間近で楽しむのも一興です。
立ち寄りスポット(グルメ・温泉)
- 奥多摩温泉 もえぎの湯:
ドライブの締めは、多摩川の渓谷を眺めながら入れる日帰り温泉へ。冷えた体を芯から温めます。 - 釜めし・手打ちそば:
奥多摩エリアは、釜めしや手打ちそばの名店が点在。地元グルメでランチを。
2.【都心・黄金色】神宮外苑イチョウ並木・都心公園ルート

都心の紅葉の象徴であり、「日本一遅い紅葉」の代表格。見頃は11月下旬から12月上旬と、まさに「これから」が本番です。黄金色のトンネルをドライブで駆け抜けるのは、この時期だけの特権です。(※注意:ピーク時の週末日中は、大混雑・交通規制のため車での訪問は非推奨)
コース概要と想定所要時間
(例:首都高・外苑IC発着 / 約4〜5時間 ※早朝・夜間推奨)
このコースの紅葉ハイライト
- 神宮外苑イチョウ並木:
約300mにわたり146本のイチョウが並ぶ、黄金色のトンネル。車で通り抜けるなら、交通量の少ない平日の早朝がベストです。 - 代々木公園:
ケヤキ並木の紅葉(黄葉)が美しいほか、噴水周辺の紅葉も都心とは思えないスケールです。 - 日比谷公園(雲形池):
オフィス街のオアシス。水面に映る「逆さ紅葉」と、背景のビル群のコントラストが東京らしい風景です。
立ち寄りスポット(グルメ・温泉)
- 青山・表参道のカフェ:
ドライブの途中で、おしゃれなカフェで優雅にランチやティータイムを。 - 神宮外苑「イチョウ祭り」:
例年開催されるイチョウ祭りでは、多くの屋台が並び、紅葉と共にグルメも楽しめます(開催要確認)。
3.【IC直結・登山】高尾山・甲州街道イチョウ並木ルート

ミシュラン三つ星の観光地であり、圏央道・高尾山IC直結というアクセスの良さで、現在(11月中旬)まさに紅葉のピークを迎えています。その分、日本有数の大渋滞スポットでもあるため、早朝行動が必須のコースです。
コース概要と想定所要時間
(例:圏央道・高尾山IC発着 / 約5〜6時間 ※早朝出発必須)
このコースの紅葉ハイライト
- 高尾山(ケーブルカー・リフト):
車を麓の駐車場に停め、ケーブルカーやリフトで登るのが定番。車窓一面に広がる紅葉のグラデーションは圧巻です。 - 甲州街道(国道20号):
高尾山口駅から追分交差点まで、約4kmにわたり約760本のイチョウ並木が続きます。ドライブしながら黄金色のトンネルを楽しめます。 - 高尾山薬王院:
山腹にあるパワースポット。荘厳な寺院の建造物と、鮮やかな紅葉のコントラストが見事です。
立ち寄りスポット(グルメ・温泉)
- 京王高尾山温泉「極楽湯」:
高尾山口駅直結の日帰り温泉。紅葉狩り(登山)でかいた汗を流すのに最適です。 - 高尾山名物「とろろそば」:
麓の蕎麦屋で、名物の「とろろそば」を味わうのが紅葉狩りの定番ランチです。
4.【ファミリー・黄葉】国営昭和記念公園と大学通りルート

立川市にある広大な国営公園。アクセスしやすく、駐車場も完備(ただし混雑注意)。現在(11月上旬~下旬)がまさに見頃のピークで、特に2つのイチョウ並木は必見です。
コース概要と想定所要時間
(例:中央道・国立府中IC発着 / 約4〜5時間)
このコースの紅葉ハイライト
- 国営昭和記念公園:
「かたらいのイチョウ並木」(98本・300m)と、「カナール(噴水)横のイチョウ並木」(106本・200m)が黄金色の絨毯を作り出します。日本庭園の紅葉も格別です。 - 夜間ライトアップ「秋の夜散歩」:
例年、日本庭園やイチョウ並木がライトアップされ、昼間とは異なる幻想的な風景が楽しめます。 - 国立市「大学通り」:
公園の行き帰りに立ち寄りたい絶景スポット。広い車道とイチョウ並木、晴れた日には遠くに富士山も望めます。
立ち寄りスポット(グルメ・温泉)
- IKEA(イケア)立川:
昭和記念公園のすぐ近く。ドライブの途中で、食事やショッピングを楽しむのもおすすめです。 - 国立・立川のおしゃれなカフェ:
洗練されたカフェが多いエリア。公園散策の後に立ち寄るのも◎。
5.【穴場・渓谷美】あきる野・秋川渓谷(石馬五日市)ルート

「奥多摩ほど遠くなく、高尾山ほど混雑していない」紅葉スポットとして、これから見頃(11月中旬~下旬)を迎える穴場的なドライブコースです。
コース概要と想定所要時間
(例:圏央道・あきる野IC発着 / 約5〜6時間)
このコースの紅葉ハイライト
- 秋川渓谷(石舟橋・佳月橋):
渓谷にかかる美しい吊り橋と、それを彩る紅葉のコントラストが見事。散策に最適です。 - 広徳寺:
都の天然記念物に指定されている、樹齢400年を超える2本の大イチョウは圧巻の迫力です。 - 十里木(じゅうりき)ランド:
川沿いのバーベキュー場としても有名ですが、秋は紅葉散策の穴場スポットになります。
立ち寄りスポット(グルメ・温泉)
- 秋川渓谷 瀬音(せおと)の湯:
アルカリ度の高い「美肌の湯」として人気の日帰り温泉。紅葉ドライブの疲れを癒せます。 - あきる野市の古民家カフェ:
自然豊かなエリアだけに、古民家をリノベーションしたおしゃれなカフェや蕎麦屋が点在します。
東京の紅葉ドライブに関するよくある質問(Q&A)
「東京の紅葉は、渋滞がひどくて車で行くものじゃない」と思っていませんか? 確かに、ピーク時の人気スポットは想像を絶する混雑に見舞われます。
しかし、「いつ」「どこを」「どう避けるか」という「計画」さえあれば、ドライブは東京の紅葉を楽しむ最強の手段にもなります。2025年のドライブを成功させるために、ここで紹介するQ&Aを必ず出発前に確認してください。
Q1. 高尾山や神宮外苑の渋滞を避ける方法はありますか?
A. これは都内の紅葉ドライブにおいて、最も重要な2つの質問です。
【高尾山(国道20号)の対策】
現在(11月上旬~中旬)まさにピークを迎えている高尾山は、週末の日中は「大渋滞必至」です。圏央道・高尾山ICの出口から、麓の国道20号線、そして駐車場待ちの列で、数時間動かないこともあります。
対策は2つです。
- 「早朝(午前8時前)に駐車場に到着する」これが車で行く場合の唯一の確実な方法です。
- 「車で行くのを諦め、電車(京王線)で行く」高尾山口駅直結の温泉もあり、これが最も賢明でストレスフリーな選択かもしれません。
【神宮外苑(イチョウ並木)の対策】
ピーク時(11月下旬~12月上旬)の週末日中は、「車で行く場所ではない」と断言できます。周辺は交通規制が敷かれ、駐車場を探す車で大混乱します。
ドライブで楽しみたい場合の対策は、「訪れる時間帯をずらす」ことです。
- 平日の早朝(夜明け~午前8時頃)に、黄金色のトンネルを車で走り抜ける。
- 近隣の駐車場(満車覚悟)に停め、徒歩で「イチョウ祭り」を楽しむ。
基本的には公共交通機関(地下鉄・外苑前駅)での訪問を強く推奨します。
Q2. 12月に入っても紅葉を楽しめる場所は?
A. はい、もちろんです。それこそが東京都の紅葉ドライブの最大の魅力です。
「12月=紅葉は終わり」という常識は、東京の都心部には当てはまりません。
奥多摩や高尾山のピークが過ぎた後、11月下旬から12月上旬にかけて、都心部のイチョウやカエデが最高の見頃を迎えます。
- 神宮外苑イチョウ並木(12月上旬)
- 国営昭和記念公園(11月下旬~12月上旬)
- 代々木公園(12月上旬)
- 日比谷公園(12月上旬)
- 国立市 大学通り(12月上旬)
他県の紅葉を見逃してしまった方にとって、東京は「日本一遅い紅葉」を楽しめる、秋の最後の楽園なのです。
Q3. スタッドレス(冬タイヤ)は奥多摩に必要ですか?
A. 「必要です」と強く推奨します。
「都内だから大丈夫」という感覚は、奥多摩エリアでは非常に危険です。奥多摩周遊道路は、標高が1,000mを超える本格的な山岳道路です。
現在(11月8日)はまだ大丈夫かもしれませんが、11月中旬以降、日陰のカーブや橋の上は、早朝・夜間に「路面凍結(ブラックアイスバーン)」し始めます。
11月下旬に奥多摩をドライブする場合、紅葉は楽しめても、ノーマルタイヤではスリップ事故を起こし、帰れなくなる危険性があります。奥多摩の気候は「東京」ではなく「山」です。11月中旬以降に奥多摩周遊道路を走る予定があるなら、スタッドレスタイヤ装着車で行くか、凍結の心配がない「あきる野・秋川渓谷」などに行き先を変更するべきです。
まとめ:2025年はドライブで東京ならではの「紅葉リレー」を楽しもう
2025年の秋にこそ訪れたい、東京都の紅葉ドライブコース5選をご紹介しました。
「ここが東京?」と驚くほどの自然が残る「奥多摩」の渓谷美。現在(2025年11月8日)まさにピークを迎えている「高尾山」や「国営昭和記念公園」。そして、これから本番を迎える「神宮外苑」の黄金のトンネルまで。
東京都の紅葉の最大の魅力は、なんといってもその「紅葉リレー」にあります。10月中旬に奥多摩の山頂から始まった紅葉が、約2ヶ月もの時間をかけて、12月上旬の都心部までゆっくりと降りてくるのです。
「11月は忙しくて紅葉を見逃した…」という方でも、東京ならまだ間に合います。この記事で紹介した5つのコースや見頃の時期、Q&Aを参考に、2025年のあなたの秋のドライブプランをぜひ組み立ててみてください。
ただし、東京都の紅葉ドライブを成功させるには、他県とは異なる2つの「絶対的な注意点」があることを、最後にもう一度強調させてください。
- 「高尾山」「神宮外苑」「昭和記念公園」の週末は「早朝行動」か「公共交通機関」が鉄則であること。日中の大渋滞と駐車場問題は、計画なしでは回避不可能です。
- 11月中旬以降に「奥多摩周遊道路」へ行く場合は、「スタッドレスタイヤ」が必須であること。都心部の感覚で山間部へ行くと、路面凍結で立ち往生する危険性があります。
これら2つのポイントさえ押さえれば、東京はドライブで紅葉を楽しむのに最高の都市の一つです。万全の渋滞対策と安全運転を心がけ、東京ならではの「自然と都市のコントラスト」を、2025年の秋の思い出にしてください。
【詳しい2025年の紅葉情報はこちら▼】
東京都のおすすめ紅葉名所
東京都の穴場紅葉スポット